神経マニピュレーションテクニック

神経マニピュレーション

私たちの身体には、脳や脊髄から全身へと電気信号を送る重要なネットワーク、すなわち末梢神経が張り巡らされています。これらの神経は、脊椎(背骨)から枝分かれした後、腕や脚の先端へと向かって走行し、感覚や運動機能をつかさどっています。

末梢神経は、その走行経路の途中で筋肉、靭帯、骨などの組織の間を通り抜ける際、何らかの原因で圧迫を受けることがあります。この圧迫が神経の働きを阻害すると、電気信号が正常に伝わらなくなり、手足のしびれ、感覚麻痺、筋力低下といった不快な症状として現れます。例えば、長時間同じ姿勢でいたり、特定の動作を繰り返したりすることで、神経が絞扼(こうやく)されてしまうケースは少なくありません。

神経マニピュレーションは、このような神経の圧迫に特化した徒手治療テクニックです。熟練した手技によって、まず神経がどこで、どのように圧迫されているかを丁寧に触診で特定します。そして、その圧迫している組織(筋肉の緊張、靭帯のこわばり、関節のわずかなズレなど)に対し、繊細かつ的確な手技を施すことで、神経への圧迫を除去していきます。

このテクニックの目的は、神経の滑走性を回復させ、正常な信号伝達を促すことです。神経の働きが改善されることで、しびれや感覚麻痺などの症状の軽減はもちろん、関連する筋肉の機能回復や痛みの改善にもつながります。徒手療法大学では、神経マニピュレーションの理論と実践を深く学び、患者さんの神経系の問題にアプローチできる専門性の高いカイロプラクターを育成しています。