【治療家への道】圧倒的な成長を生む「習慣化」と「ベビーステップ」の力

この記事の要約

  • 自由な学習の罠と対策:オンライン学習は自由度が高い分、自己規律が必要。挫折を防ぐには日々の「習慣化」が不可欠。
  • ベビーステップの実践:完璧を目指さず、「まずは1分だけ講義動画を開く」という極めて小さな行動から始める。
  • 治療家の羅針盤:知識や技術は自分のためではなく、「他者の役に立つ」ために使うという利他の精神が強固な土台を作る。
  • 臨床における解釈の力:治療結果は完全にコントロールできない。出た結果をどう解釈し、次に活かすかが治療家の人生を決定づける。
優れた治療家へと成長していく道のりには、極めて泥臭く、そして我々カイロプラクターが日々実践すべき本質的な「行動の原則」があります。今回は、本校での学びを最大限に活かし、将来の臨床家として成功するための鍵となる治療家の習慣化と、その第一歩であるベビーステップについてお話ししたいと思います。

1. 自由な学習環境の落とし穴と「ベビーステップ」

「徒手療法大学での学びの原則」と題された図解イラスト。左側には「自由の落とし穴:先延ばしの罠」と書かれ、未消化の動画講義の山に囲まれてモチベーションを枯渇させ、落ち込む生徒。右側には「ベビーステップの力」と書かれ、「極めて小さな目標から始める」という看板の横で、光る階段を元気に登り「学びの達成」を目指す生徒が描かれている。

徒手療法大学では、卒業までに履修すべき科目のすべてを「Moodle」というEラーニングに特化したオンラインプラットフォームで行っています。週に3つまたは4つの講義動画が配信され、自分の好きな時間とペースで勉強を進められるため、場所を選ばず遠方からの受講も可能です。非常に利便性が高いシステムだと自負しています。

しかし、ここには大きな「落とし穴」があります。自由度が高いということは、裏を返せば「強い規律」を持って勉強していく必要があるということです。いつでも視聴できるという安心感から、つい視聴を先延ばしにしてしまう。その結果、未消化の講義が山積みになり、次第にモチベーションが枯渇していく……これは誰もが陥りやすい罠です。

ここで大切になるのが、極めて小さな目標から始める「ベビーステップ」という考え方です。

私自身、学生時代から続けている毎朝1時間の筋トレや、2000年から日課としている朝晩のヴィパッサナー瞑想も、最初から完璧を目指していたらどこかで挫折していたでしょう。皆さんもこれに倣い、まずは極めて小さな行動から始めてみてください。

講義動画はたいてい午前中の早い時間帯に規則的にアップロードされます。「その時間は勉強の時間にする」とルールを決めるのが理想です。しかし、忙しくて時間がない日もあるでしょう。そういう時こそ、「後でまとめてやる」のではなく、「とりあえず動画を開いてみる」ことです。

全部視聴できなくても構いません。10分でも大丈夫。10分が無理なら、1分でも構いません。人間の脳は新しい習慣を定着させるのを極端に嫌う性質があります。最初から完璧を目指さず、いつもと同じタスクができないのなら、その半分でもいいからやる。大切なのは、いつもの時間、いつもの環境で講義動画を視聴するという「回路」を脳に焼き付けることです。この小さな習慣化の積み重ねこそが、最終的に治療家に不可欠な膨大な知識を修得する唯一の道なのです。

2. 「人の役に立つ」ことを羅針盤にする治療家のマインド

カイロプラクターを目指す動機は人それぞれだと思います。しかし、本校のモットーは明確です。最終的には「人の役に立つ治療家」になってもらいたいということです。

知識や技術を自分の成功や利益のためだけに蓄積するのではなく、それを他者の健康や人生のためにどう活かすか。アメリカのロサンゼルスで10年、そして日本に帰国してからも名古屋駅前の治療院で長く臨床現場に立ち続けてきましたが、この「利他の精神」こそが、治療家としての土台を最も強固なものにします。

皆さんも、カイロプラクティックという素晴らしい技術を活用して、誰かの役に立てる人間になってください。自分の才能や技術を他者のために使う。その姿勢を培ってください。巡り巡ってそれが、自分自身に大きな成長と成功をもたらすのです。

3. 臨床結果の「解釈」が治療家の人生を決める

女性のカイロプラクターが高齢男性の背中を笑顔で施術する様子。壁の額縁には「他者のために使う姿勢」と「大きな成長と成功」に関する日本語のメッセージがある。手から黄金の光と成長のアイコンが放射されている。

患者さんは我々カイロプラクターに何を望んでいるのでしょうか? もちろん、体の不調、痛みやしびれなどの症状の改善です。私たちの役割は、そのニーズに応えるべく全力を尽くすことです。

しかし、臨床の現場では厳しい現実にも直面します。それは「結果を完全にコントロールすることはできない」ということです。治療にベストを尽くしても、期待通りの結果が出ることもあれば、そうでないこともあります。もし、このコントロールできない「結果」だけに固執してしまうと、思うようにいかない時期に自信を失い、治療家という仕事自体が嫌になってしまうでしょう。

ここで重要になるのが、「解釈の力」です。同じ出来事でも、受け止め方一つで人生の景色は180度変わります。逆境や厳しい現実を単なる「不運」と捉えて潰れるのか、それとも「ここから抜け出して成長するための燃料」と解釈して前に進むのか。

治療結果も同じです。大切なのは、出た結果から「何を学ぶか」、そしてそれを「どう解釈するか」です。思うような結果が出なかった時、それを単なる失敗として落ち込むのか、それとも次の患者さんを救うための貴重なデータとして前向きに捉えるのか。その解釈の質が、あなたの治療家としての人生を決定づけます。

最後に

大きな目標を掲げることは素晴らしいですが、今日やるべきことは「小さな一歩(ベビーステップ)」です。まずは今日配信された講義動画を、ほんの数分でもいいので再生してみてください。その小さな行動の習慣化が、やがて「人の役に立つ」大きな力となり、どんな結果も乗り越えられる強いマインドを育ててくれるはずです。

共に学び、歩んでいきましょう。

榊原直樹

この記事を書いた人:榊原 直樹

徒手療法大学 学長 / 米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック (DC) / 医学博士 (PhD)

1998年に米国カリフォルニア州でDCライセンスを取得し、ロサンゼルスで10年間臨床に従事。帰国後、岐阜大学医学部にてスポーツ医学の医学博士号を取得。現在は名古屋駅前での臨床の傍ら、徒手療法大学(名古屋・神戸・札幌)の学長として後進の育成に尽力している。
2000年よりヴィパッサナー瞑想を実践し、毎日の瞑想を日課とする。心身両面からのアプローチを探求し続けている。

名古屋・神戸・札幌のカイロプラクティックスクール|徒手療法大学ではカイロプラクティックを学びたいという将来のカイロプラクターを募集中です。

治療家を目指す学生がラップトップで学習し、その学習が光る「ベビーステップ」の階段となって、プロの治療家(カイロプラクター)として施術する様子へと続く、融合されたシーン。上部に「【治療家への道】圧倒的な成長を生む「習慣化」と「ベビーステップ」の力」と、サブタイトル「日々の学びを臨床の力へ」のテキストがある。
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