この記事の要点まとめ
自己流は「工夫」ではない: 基礎もできていない段階で型を崩すのは、成長を放棄する「愚の骨頂」です。
30年の時間を盗め: 授業で教えている技術は、学長の30年にわたる臨床と研究を経て残った「現時点での最適解」です。
最短の勉強法: 「車輪の再発明」をせず、まずは徹底的に模倣(完コピ)することが、プロへの唯一の近道です。
こんにちは、徒手療法大学 学長の榊原直樹です。
毎月開催している実技講習でのこと。 最近、指導をしていて、どうしても気になる瞬間があります。 今日はあえて、少し厳しい言葉でその理由を伝えたいと思います。
それは、多くの学生が「カイロプラクターとして成長するための勉強法」を根本的に履き違えているからです。
私がデモンストレーションを見せ、手取り足取りフォームを教える。 しかし、その数分後には、教えたフォームとは全く違う自分流の手つきで練習している学生がいる。
はっきり言わせてもらいます。 それは工夫ではありません。愚の骨頂です。
間違った勉強法:「型」を勝手に崩すな
なぜ私がここまで強く言うのか。 それは、私が教えている技術が、昨日の夜に思いついたような浅いものではないからです。
1998年にアメリカでドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C.)の資格を取得し、ロサンゼルスでの10年の臨床、帰国後の医学部での研究、そして毎日の臨床現場……。 この30年間、私は数え切れないほどの試行錯誤を繰り返してきました。
「この角度では力が伝わらない」 「このタッチでは患者さんに不快感を与える」 「解剖学的には、ここをコンタクトするべきだ」
そうやって、効果のないもの、危険なもの、非効率なものをすべて削ぎ落とし、「現段階でこれが最も治療効果が高く、かつ安全である」という結論(最適解)だけを、君たちに提示しています。
つまり、授業で教えている型の一つひとつは、私の30年分の失敗と修正の結晶なのです。

最短の勉強法とは「車輪の再発明」をしないこと
それを無視して自己流でやるということは、どういうことか分かりますか?
それは、「私が30年かけて済ませた失敗を、君たちがまた最初からやり直す」ということです。 私がすでに舗装して高速道路を作っておいたのに、わざわざ横のジャングルに入り込み、ナタを持って道なき道を歩こうとしているのと同じです。
あまりにも、バカげていると思いませんか?
君たちが独自性を発揮するのは、そこではありません。 カイロプラクターとして最短で上達する勉強法とは、私のやり方を「守破離」の「守」として徹底的にコピーすることです。私のレベルに追いついた後で、初めて「破」や「離」が生まれます。
基礎もできていない段階でのアレンジは、ただの楽な方への逃げであり、成長の停止です。

厳しく言うのは、君たちを信じているからだ
今日、あえて強い言葉を使ったのは、君たちに本物の治療家になってほしいと本気で願っているからです。
どうでもいい相手なら、自己流で事故を起こそうが、効果が出なかろうが、見て見ぬふりをします。その方が私も楽だからです。 しかし、私は君たちを、将来のカイロプラクティック業界を背負う同志だと思っています。だからこそ、低いレベルで満足してほしくない。
私の30年を土台にして、そのさらに高い場所へ到達してください。 私が教える技術は、君たちのためのショートカット(近道)なのです。
素直さは、最強の才能です。 私の技術を、一滴残らず盗んでいってください。
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この記事を書いた人

榊原 直樹 Naoki Sakakibara, D.C., Ph.D.
徒手療法大学 学長 / 米国政府公認ドクター・オブ・カイロプラクティック / 医学博士(スポーツ医学)
東北大学卒業後、渡米。1998年に米国にてドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C.)の免許を取得し、ロサンゼルスにて10年間臨床に従事。2006年トリノオリンピック医療チーム帯同。 帰国後、岐阜大学医学部大学院にてスポーツ医学の医学博士号を取得。現在は名古屋、神戸、札幌にて「徒手療法大学」を運営し、科学的根拠に基づいた徒手療法の教育に尽力している。
「知行合一」を座右の銘とし、学生時代から続く毎朝1時間の筋トレ(元ボディビルダー)と、25年以上続けているヴィパッサナー瞑想が日課。臨床家としての感性と、研究者としての論理の融合を目指す。