「自信がついたら開業します」が一生叶わない理由

「準備万端」を待つという罠

徒手療法大学学長の榊原直樹です。

学生や若手のカイロプラクターから、よくこんな相談を受けます。

「自分の治療技術にまだ自信が持てません」 「もっと技術を磨いて、自信がついたら開業しようと思います」

真面目な人ほど、完璧な準備をして、不安をゼロにしてからスタートラインに立ちたいと考えがちです。しかし、はっきり言います。その考え方では、いつまで経っても開業できません。

なぜなら、「自信があるから行動できる」というのは大きな勘違いで、実際はその順序がまったく逆だからです。自信とは、行動した「結果」としてしか得られないものだからです。

脳科学が証明する「自信」の正体

私は医学博士としてスポーツ医学や神経学を学んできましたが、脳科学の視点から見ても、このメカニズムは明白です。 脳には「神経可塑性(Neuroplasticity)」という性質があり、使えば使うほど神経回路が強化され、太くなっていきます。

つまり、机上でいくら勉強しても、模型相手に練習しても、本当の「自信」という神経回路は形成されません。現場で行動し、試行錯誤を繰り返すことでしか、脳は「自信」を作れないのです。

開業を目指す学生や若手カイロプラクター必見。「技術に自信がない」と足踏みしていませんか?自信を作る唯一の方法は「現場での試行錯誤」です。神経学的な根拠と、学長自身の海外でのゼロからの集客経験をもとに、成功するためのマインドセットをお伝えします。

ロサンゼルスでの「患者ゼロ」からのスタート

私自身、このことを身を持って体験してきました。 私はアメリカ・ロサンゼルスでドクター・オブ・カイロプラクティックのライセンスを取得し、現地のクリニックに就職しました。

就職してすぐに直面したのは、厳しい現実でした。雇用形態は給料制ではなく、診た患者さんの数で収入が決まる完全歩合制。しかも、クリニックから患者さんの紹介があるわけではなく、自分で一から集客しなければならなかったのです。

当然、最初は毎日「患者ゼロ」の日々です。 しかし、私はそこで立ち止まりませんでした。生活していくためには、待っていても何も始まらないからです。

私は広告を出稿したり、健康関連のイベントに出向いて自分を売り込んだりと、がむしゃらに行動しました。異国の地、知り合いもほとんどいない土地でのゼロからの開拓です。客観的に見れば「大変」で「不安」な状況だったはずです。

しかし不思議なことに、当時の私は不安感に苛まれることはありませんでした。むしろ、その何もない状況から自分で道を切り拓いていくプロセスにワクワクし、楽しんでさえいました。 結果、少しずつ患者さんは増え、数年後には現地で不自由なく生活できるだけの収入を得られるようになっていました。

帰国時に感じた「根拠のない確信」

このアメリカでの経験が本物の「自信」に変わったことを確信したのは、2007年に日本へ帰国した時でした。

アメリカでの生活基盤を捨て、日本でゼロから再スタートを切る。普通なら不安で押しつぶされそうな場面です。 しかし、私には不安が一切ありませんでした。それどころか、「日本でカイロプラクターとして成功しないわけがない」という、強烈な自信に満ち溢れていたのです。

「開業すれば、必ず患者さんは来る」 「そして、結果は必ずついてくる」

そこには何の客観的なデータも根拠もありませんでした。しかし、私の中には揺るぎない確信がありました。 なぜなら、アメリカであの厳しい環境を生き抜き、ゼロから築き上げたという経験が、私の脳内に「やればできる」という太く強固な神経回路を作り上げていたからです。

これが、私が体験した「行動が自信を作る」という真実です。 アメリカで行動し続けた結果、場所が変わっても揺らぐことのない自信を手に入れていたのです。

結論:不安なまま、前に進め

これから開業を目指す皆さん。「自信がない」のは当たり前です。まだ行動の量が足りていないだけです。 自信は、その不安を抱えたまま最初の一歩を踏み出し、傷つきながらも前に進んだ人だけに、後からついてくるご褒美のようなものです。

失敗してもいい。試行錯誤こそが、あなたの脳のシナプスを繋ぎ、本物の治療家としての回路を作り上げます。 私がロサンゼルスでゼロから道を切り拓き、その経験が日本での成功への確信に変わったように、あなたにも必ずできます。

自信がつくのを待つのは、もう終わりにしましょう。 今日から、行動を始めてください。

【徒手療法大学ブログ】準備万端を待つな、不安なまま進め。「自信があるから行動できる」は勘違いです。自信とは行動した結果、脳に作られる回路に過ぎません。ロサンゼルスでの過酷な下積み時代を経て、私が揺るぎない自信を手に入れた「行動の法則」を公開します。

記事まとめ:「自信」は行動の後からついてくる

【核心メッセージ】 「自信がついたら開業する」という考えは罠であり、順序が逆である。自信とは、不安なまま行動し、現場で試行錯誤した「結果」として脳内に形成されるものである。

【主なポイント】

  1. 脳科学的根拠(神経可塑性)

    • 机上の勉強や模型での練習だけでは、本物の自信は育たない。

    • 現場での経験と行動の繰り返しこそが、脳の神経回路を強化し「自信」を作り上げる。

  2. 著者の原体験(ロサンゼルスでのゼロからの開拓)

    • 「患者ゼロ・完全歩合制・コネなし」という過酷な環境で、自ら集客し道を切り拓いた経験が原点。

    • そのプロセスを経たことで、日本帰国時には客観的データを超えた「根拠のない確信(=揺るぎない自信)」を手に入れていた。

  3. 若手治療家への提言

    • 不安や未熟さは行動しない理由にはならない。

    • 傷つきながらも前に進むこと自体が、治療家としての脳の回路を作る唯一の方法である。

    • 「準備万端」を待たず、今日から行動を開始すべきである。

【徒手療法大学 公式メディア】

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プロフィール
榊原 直樹(Naoki Sakakibara, D.C., Ph.D.)

  • 徒手療法大学 学長

  • 米国カリフォルニア州公認ドクター・オブ・カイロプラクティック

  • 岐阜大学大学院医学系研究科 医学博士(スポーツ医学)

東北大学卒業後、渡米。クリーブランド・カイロプラクティック大学を卒業し、米国にて10年間の臨床実務に従事する。2006年トリノオリンピック・メディカルチームメンバー。 2007年の帰国後は、名古屋にてスポーツ医学&カイロプラクティック研究所を開院。元ボディビルダーとしての身体感覚と、最新の医学的エビデンスを融合した指導には定評がある。現在は徒手療法大学の学長として、世界基準のカイロプラクター育成に情熱を注いでいる。

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