カイロプラクティック学校選びで「意志力」は捨てるべき

「努力は必ず報われる」「意志を強く持って頑張れ」

私たちは子供の頃からそう教わってきました。しかし、あえて言わせてください。ことカイロプラクティックの修得、そして人生の成功において、「意志力」ほど頼りにならないものはありません。もしあなたが今、カイロプラクティックの学校選びで迷っている、あるいは伸び悩みを感じているなら、この記事が重要なヒントになるはずです。

心理学者のベンジャミン・ハーディ氏が提唱する「意志力は役立たず」という理論では、以下のように提唱しています。

「人は環境の産物である。変わりたければ、自分を変えようとするのではなく、環境を変えろ」

ベトナム戦争の帰還兵が、環境が変わった瞬間に薬物依存から脱却した事例や、付き合う人を変えることで脳のミラーニューロンが働き、勝手に能力が引き上げられるという科学的事実は、私たちが何に注力すべきかを教えてくれています。

実は、この最新の心理学が到達した結論は、2500年以上も前にブッダが説いていたことと驚くほど一致しています。

学校選びは環境選び

ブッダは「環境の大切さ」を説きました。環境には「物理的環境」と「人的環境」の二つがあります。

まず「物理的環境」とは、自分の能力が発揮できる場所を選ぶということです。 魚の能力が最大限に発揮できる環境はどこでしょうか? 言うまでもなく「水中」です。もし魚が陸に上がり、「もっと努力して呼吸するぞ」「意志力で前に進むぞ」と頑張ったとしたらどうなるでしょう。能力が発揮できないどころか、生命の危機にさえ瀕します。

私たち人間も同じです。自分が身を置く場所が、自分の資質や目指すゴールに合致していなければ、どんなに歯を食いしばって努力しても、その効果は薄れてしまうのです。

カイロプラクティックの習得に「意志力」は頼りになりません。米国DC・医学博士の榊原学長が、最新心理学とブッダの教えから「環境選び」の重要性を解説。独学不可能な技術だからこそ、誰から学ぶかが人生を決めます。今の環境に違和感を感じている学生・施術家必読のコラム。

カイロプラクティック学校選びの基準は「誰に学ぶか」

次に、より重要なのが「人的環境」です。これは誰と過ごし、誰から学ぶかということです。

カイロプラクティックという学問、そして技術は、断言しますが独学で学ぶことは不可能です。 本を読み、動画を見るだけでは、手の感覚、圧の方向、患者さんとの間合いといった「暗黙知」は決して身につきません。つまり、必ず「師」となる人間から直接学ばなければならないのです。

ブッダも言うように、人格や能力は周囲の人間関係によって育まれます。特に、私たちのような職人的な技術を要する世界、あるいは師弟関係の強い学校という環境においては、「誰を師と選ぶか」が、その人の人生そのものを決定づけると言っても過言ではありません。

動画の中で「あなたは最も一緒に過ごす時間が長い5人の平均になる」という話がありましたが、これはカイロプラクターを目指す学生にとっても残酷な真実です。 情熱のない師、技術の低い仲間に囲まれていれば、あなたの基準(スタンダード)はそこに固定されます。逆に、高い志と確かな技術を持つ師の元にいれば、あなたの脳はそれを「当たり前」としてコピーし始めます。

意志力以前の問題として

もちろん、何事も継続するには、ある程度の意志力は必要です。カイロプラクティックもその例外ではありません。

特にカイロプラクターの場合、プロフェッショナルであり続ける限り、学びは継続するのが当然です。常に最新の知識をアップデートし、技術を進化させ続けるよう心がけなければなりません。そこには弛まぬ努力が必要です。

しかし、意志力以前の問題として、「環境」があります。

どれほど強い意志を持っていても、間違った環境にいれば、その努力は「陸に上がった魚」のように空回りします。逆に、正しい環境――質の高い師と、切磋琢磨できる仲間がいる場所――にいれば、その「継続する意志」すらも、環境の力によって自然と維持され、強化されていくのです。

 「努力が続かない」のはあなたのせいではありません。カイロプラクターとして成功する鍵は、意志力ではなく「環境」を最適化すること。ベンジャミン・ハーディの理論と仏教の視点から、徒手療法大学学長が「人生を変える学校の選び方」を語ります。

学校選びに失敗した?と感じたら

これからカイロプラクターを目指す皆さん、あるいは現在学んでいる皆さんに伝えたいことがあります。 カイロプラクティック学校の選択は、慎重であってください。それは単なる学校選びではなく、「未来の自分の姿」を選ぶことだからです。

そして、もし今いる環境に「違和感」を感じているのなら、そこに意志力を使って耐える必要はありません。「石の上にも三年」という言葉を、劣悪な環境に居続ける言い訳にしてはいけません。 ブッダの教えに従い、魚が水を探すように、躊躇なく環境(学校)を変えてください。

意志力で自分をねじ曲げるのではなく、正しい環境に身を置く勇気を持つこと。 それこそが、一流のカイロプラクターになるための唯一にして最強の近道なのです。

記事のまとめ:意志力よりも「環境」を選べ

カイロプラクティックの修得と人生の成功において、個人の「意志力」に頼る努力は限界があります。最新の心理学とブッダの教えに基づき、なぜ「環境」を変えることが最重要なのかを解説しました。

  • 意志力は役立たない: 心理学者ベンジャミン・ハーディが提唱するように、人は環境の産物です。自分を変えようとするのではなく、環境を変えることこそが変化への近道です。

  • 「魚」は水中でこそ輝く: 魚が陸で努力しても成果が出ないように、自身の資質が活きる「物理的環境」に身を置かなければ、どんな努力も空回りします。

  • カイロプラクティックは独学不可: 感覚や間合いといった「暗黙知」は、優れた師や仲間という「人的環境」からしか学べません。自分の基準は、周囲の人間関係によって決定づけられます。

  • 違和感は転機のサイン: 現在の環境(学校など)に違和感があるなら、意志力で耐えるのではなく、勇気を持って環境を変えるべきです。それこそが一流への最短ルートです。

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【筆者紹介】 榊原 直樹(Naoki Sakakibara, D.C., Ph.D.) 徒手療法大学 学長 米国カリフォルニア州公認ドクター・オブ・カイロプラクティック 医学博士(岐阜大学医学部 スポーツ医学専攻)

米国ロサンゼルスにて10年間、本場のカイロプラクティック診療に従事。2007年の帰国後、名古屋にて臨床家として18年のキャリアを積む傍ら、岐阜大学医学部にて医学博士号を取得。現在は徒手療法大学の学長として、後進の育成と環境づくりに尽力している。 1967年生まれ。東北大学入学と同時にボディビルを開始し、現在も毎朝1時間の筋トレを継続中。また、2000年に開始したヴィパッサナー瞑想をきっかけに、朝晩30分の瞑想も日課としている。自らも「意志力」に頼らず、正しい「環境」と「習慣」を味方につける生き方を実践している。

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