【この記事でわかること】
治療家の98%が陥るかもしれない「流される状態(思考停止)」の危険性
ナポレオン・ヒル『悪魔を出し抜け!』に学ぶ、恐怖と不安のメカニズム
臨床現場で悪魔(ネガティブ思考)に支配されないためのマインドセット
「気づき」の力でメンタルを安定させる、具体的な思考法と習慣
98%の人間は「流されている」という事実
先日、ナポレオン・ヒルの著書『悪魔を出し抜け!(Outwitting the Devil)』についての解説を目にする機会がありました。70年以上も封印されていたというこの書の中で、「悪魔」は不気味な事実を語ります。
「私は人間の98%を支配している。彼らは自分の頭で考えることをやめ、ただ環境や習慣に『流される(Drifting)』者たちだ」
これを聞いて、私たち治療家も襟を正さねばなりません。 多くの治療家が技術の習得には熱心ですが、それを支える「治療家としてのマインドセット」についてはどうでしょうか。もし私たちが自分の頭で考えることをやめてしまえば、それは悪魔の言う「流される者」への第一歩なのです。
治療家のマインドセットを崩す心の隙間
「流されるカイロプラクター」とは、自分の規律や信念を持たず、周囲の環境に影響を受け続ける思考停止した治療家のことです。
そのようなカイロプラクターの心にはたくさんの隙間があります。そして、この本のたとえを借りれば、悪魔はその隙間に不安や恐怖の種を植え付けていくのです。
心とは、本来、周囲の環境からの刺激によって反応するものです。 心の中がプラスのエネルギーで満たされていれば、刺激に対してプラスの反応を返します。しかし、心の中が恐怖で占められている人は、どんな刺激を受けても恐怖でしか反応できなくなります。
臨床の現場で「治せなかったらどうしよう」「患者さんが離れていったらどうしよう」という不安に一度支配されると、健全な治療家のマインドセットは崩れ去り、新たな学びも患者さんとの対話も、すべて恐怖の対象へと変わってしまうのです。

強いマインドセットを作る思考と観察
では、そのような状態に陥らないためにはどうすればよいでしょうか。
第一に、この書籍が教えてくれているように、自分の頭で考えることです。 マニュアルや他人の意見を鵜呑みにせず、自分の頭で考え、判断する習慣を身につけること。これが悪魔への最大の防御策であり、ブレないマインドセットの土台となります。
そして第二に、私が皆さんに強く伝えたいのが、外界の刺激に対して自分の心がどのような反応をしているのかをよく観察することです。
恐怖や不安で心が支配されている人は、どうしても恐怖と不安で反応してしまうでしょう。でも、最初はそれで大丈夫なのです。
気づきのパワーで恐怖を無力化する
大切なのは、自分の心がどのように反応しているのかを客観的に観察し、気づくことなのです。 それを何度も繰り返すことで、恐怖は徐々にその威力を失っていきます。
私は2000年からヴィパッサナー瞑想を日課としていますが、これはまさに自分の感覚や心の反応をありのままに観察する訓練です。 そうです。不安や恐怖の感情は気づきのパワーによって、克服することができるのです。

結論:自律したプロフェッショナルへ
私たち徒手療法大学が育てたいのは、単に技術を持つだけの治療家ではありません。 自分の頭で考え、自分の心を客観的に見つめることができる、確固たるマインドセットを持ったプロフェッショナルです。
毎日の臨床は、予期せぬことの連続です。心が揺れ動くこともあるでしょう。 しかし、その揺れを観察し、恐怖に流されず、自分の信念に従って行動を選択できる人間になってください。それこそが、悪魔を出し抜き、患者さんを真の健康へと導く治療家の姿なのです。
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この記事の執筆者

榊原 直樹 Naoki Sakakibara, D.C., Ph.D.
徒手療法大学 学長
東北大学卒業後、渡米。 1998年に米国政府公認ドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C.)免許をカリフォルニア州にて取得し、ロサンゼルスにて10年間の臨床経験を積む。2006年トリノオリンピックでは医療チームの一員として帯同。
2007年に帰国後、岐阜大学医学部大学院にて医学博士号(スポーツ医学)を取得。現在は名古屋駅前で臨床家として患者に向き合う傍ら、徒手療法大学(名古屋・神戸・札幌)の学長として、科学的根拠に基づいた「考える治療家」の育成に尽力している。
2000年よりヴィパッサナー瞑想を実践しており、毎朝晩の瞑想と1時間の筋トレは20年以上続く日課。座右の銘は「知行合一(知識と行為は一体である)」。