記事要旨
「その学費30万円」は、未来への投資ですか?それとも浪費ですか? 医学博士であり米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック(DC)でもある学長が、治療家キャリアにおけるシビアな「お金の話=投資対効果(ROI)」について語ります。
「安さ」だけで選ぶリスク: 目先の受講料の安さや手軽さだけでスクールを選ぶことは、あなたの人生において最もリスクの高い選択になりかねない。
稼げる治療家の条件「論理的な診断力」: 低価格競争で疲弊するのか、高単価でも信頼されるのか。その決定的な差は、解剖学に基づき痛みの原因を論理的に説明できる「診断力(Clinical Reasoning)」の有無にある。
70代・80代まで現役。「技術寿命」の長さ: 力任せの施術は自身の体を壊し、短命なキャリアに終わる。論理に基づいたピンポイントの施術こそが、女性や高齢でも一生稼ぎ続けられる鍵となる。
一生稼ぐための「自分への投資」: AI時代に替えの利かない存在になるために。「安物買いの銭失い」を避け、確かな教育環境で「地力」を身につける意義を説く。
「その30万円」は投資ですか?それとも浪費ですか?
これから新しい道を志す皆さんにとって、学費(費用)は最も気になる要素の一つでしょう。 ネットを見れば、「数ヶ月で資格取得」「格安の受講料」を謳う整体スクールや短期セミナーが溢れています。
確かに、手軽に資格が取れるのは魅力的です。しかし、医学博士であり、経営者でもある私の視点から申し上げます。 「目先の安さ」だけで学校を選ぶことは、あなたの人生において最もリスクの高い選択になりかねません。
今回は、少しドライなお金の話をしましょう。 カイロプラクティックなどの治療家キャリアにおける投資対効果(ROI)についてです。
1. カイロプラクティック資格の費用、米国の現実は「年間450万円」
私がアメリカのロサンゼルスにあるカイロプラクティック大学に入学したのは、1990年代初頭のことです。 当時の学費は年間約12,000ドル。為替レート(1ドル120円前後)で換算すると約150万円でした。当時のLAは物価も安く、お米が10kgで500円程度。
しかし、現在はどうなっているかご存知でしょうか? 米国のカイロプラクティック大学の学費は、当時の約3倍になっていると言われています。 つまり、年間の授業料だけで約450万円です。4年間通えば学費だけで1,800万円。生活費を含めれば3,000万円近い資金が必要です。
今の時代、アメリカでDC(ドクター・オブ・カイロプラクティック)の資格を取得することは、余程の資産家でない限り困難な道となってしまいました。
日本で「本場レベルの教育」を提供する意義
私が日本で「徒手療法大学」を運営している最大の理由がここにあります。 「学びへの情熱はあるが、数千万円の留学費用は出せない」 そんな方々に、日本にいながらにして、米国DCレベル、そして医学博士(PhD)監修の教育を、現実的な学費で提供したい。
本学の学費は、提供しているカリキュラムの質と密度、そして米国の現状と比較すれば、その「投資価値」をご理解いただけるはずです。
2. なぜ「60分2980円」の店で消耗するのか?
世の中には、高単価でも予約が取れない治療家と、低価格競争に巻き込まれて疲弊する治療家の「二極化」が進んでいます。 この決定的な差はどこにあると思いますか?
それは、「論理的な診断力(Clinical Reasoning)」の有無です。
「診断力」がないと、治療は博打になる
多くの治療家(特に短期養成で学んだ方)は、解剖学の知識が断片的です。 「腰が痛いならここを揉む」というマニュアルは知っていても、「なぜ痛むのか?」という原因構造を論理的に組み立てる推論ができません。 最初の診断(推論)がつまずいているので、その後の治療で結果が出るはずがないのです。
「説明できる」ことが信頼を生む
本学が育てるのは、基礎医学の知識を統合し、自分の中で論理を組み立てられる臨床家です。 そして重要なのは、その専門的な解釈を素人である患者さんにも分かりやすく解説できる能力です。
患者さんは、自分の体の不調の原因をピタリと言い当てられ、論理的に説明された時、その先生に絶大な信頼(ラポール)を寄せます。 私の経験では、信頼関係が構築されると治療効果も劇的に上がります。 「予約の電話をするまで痛かったのに、先生の声を聞いて予約したら痛みが消えちゃいました」 そう笑って来院される患者さんも少なくありません。
この「信頼」こそが、価格競争から抜け出す唯一の鍵なのです。

3. 70代、80代でも現役。「資産」としての技術寿命
学費を「投資」と考えるなら、そのリターンを得る期間(稼働年数)は長ければ長いほど良いはずです。 力任せのマッサージや、派手なパフォーマンスだけの矯正は、施術者自身の体を壊します。腰や指を痛めて10年もたずに引退、というケースは後を絶ちません。
「ピンポイント」だから力はいらない
一方、論理的な診断ができれば、治療は「ピンポイント」で済みます。 原因となる構造(筋肉、関節、神経)が明確に特定できていれば、そこに軽い刺激を入れるだけで体は変わります。
逆に、脊椎の椎間関節のような繊細な場所に、力任せで大きな負荷をかけることなどあり得ません。それは治療ではなく破壊です。
女性や高齢でも活躍できる理由
正しい徒手療法は、無駄な力を使いません。 治療にメリハリをつけ、重要な部位には時間をかけ、それ以外はサラッと流す。そうやって体力を温存する工夫ができるため、年齢を重ねても続けられます。
実際、私が留学していた大学では全生徒の1/3が女性でした。 また、カイロプラクターの中には80代でも現役で活躍している先生がたくさんいます。
30代・40代で入学しても、その後30年、40年と第一線で稼ぎ続けられる。 この「技術寿命(LTV)」の長さこそが、本学で学ぶ最大の経済的メリットです。

結論:自分という「資本」への投資をケチるな
AIが発達し、単純作業が自動化されていく中で、論理的思考と高度な身体感覚を併せ持つ徒手療法家は、替えの利かない存在になります。
学費の安さだけで学校を選び、数年で消えていくのか。 それとも、確かな教育に投資し、一生稼ぎ続ける「地力」を手に入れるのか。
もしあなたが、自分の人生を真剣に考えているなら。 「安物買いの銭失い」にならず、本物の環境を選んでください。 私たちは、あなたの投資以上の価値をお返しする覚悟で、指導にあたっています。

[執筆者プロフィール] 榊原 直樹(さかきばら なおき) 徒手療法大学 学長 / 医学博士(PhD) / 米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック(DC) 1998年に米国でDC取得後、LAにて10年間臨床に従事。帰国後、岐阜大学大学院医学系研究科にてスポーツ医学を専攻し、2015年に医学博士号を取得。現在は臨床家として現場に立ちながら、後進の育成に力を注ぐ。
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