この記事の要旨(この記事でわかること)
- 神戸校での熱気あふれる実技講習レポート
2月22日に開催された、徳山純治先生による実践的な徒手療法講義の様子をお届けします。 - プロに必須のスキル「正確な鑑別診断」
「しびれが無い筋力低下(頚椎症性筋萎縮症など)」を例に、症状を見極める評価の重要性を実際の症例(格闘家)を交えて解説します。 - 痛みの根本にアプローチする「神経の解放」
尺骨神経や胸筋神経など、筋肉の不調を引き起こす「神経の絞扼(詰まり)」を徒手的に改善するテクニックを紹介します。 - カイロプラクターを目指す方へ
的確な評価と技術があれば、神経・筋・骨格系の問題は根本から改善できます。当校でのリアルな学びの場と、治療家という職業の奥深さがわかる内容です。
こんにちは、徒手療法大学 学長の榊原です。
今回は、将来カイロプラクターを目指す皆さんに、当校でのリアルな学びの場を知っていただきたく、2月22日(日)に徒手療法大学の神戸校で行われた徳山純治先生による実技講習の様子をお届けします。
写真からも、生徒たちが熱心に技術を習得しようとベッドを囲む真摯な姿勢がヒシヒシと伝わってきますよね。より良い治療家になろうと切磋琢磨する姿は、本当に頼もしい限りです。
今回の講義では、大きく分けて「正確な症状の見極め(鑑別診断)」と「神経への直接的なアプローチ」について学びました。これからカイロプラクターを目指す方にもイメージしやすいよう、少しだけ内容をシェアしますね!
1. カイロプラクターを目指すなら知っておきたい「鑑別診断」の重要性
講義では、20年以上総合格闘技を続けている40代男性の症例を元に、実践的な評価方法を学びました。
この患者さんは、右手の握力が落ちて物をよく落としてしまったり、手が開きにくくなったりする症状に悩まされていました。ここで重要なポイントは、「腕や手の感覚異常(しびれなど)は無い」ということです。
「神経が圧迫されているなら、しびれが出るはずでは?」と思いがちですが、運動をつかさどる神経だけが選択的に障害を受けると、感覚は正常なのに力が入らないという現象が起こります。これが「頚椎症性筋萎縮症」という症状です。
しびれが無いからといって原因を見誤ってしまうと、効果的な治療はできません。鑑別診断を間違えないための正確な評価がいかに重要か、生徒たちも再認識したはずです。
2. 筋肉の不調は「神経の詰まり」から?

もう一つのテーマは、胸や背中の筋肉に命令を送っている神経へのアプローチです。今回は以下の神経について実技を行いました。
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尺骨神経(ギヨン管): 手の小指側に繋がる神経の通り道です。
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内側・外側胸筋神経: 胸の大きな筋肉(大胸筋や小胸筋)を動かす神経です。
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肩甲下神経: 肩甲骨の裏側や背中の筋肉(肩甲下筋や広背筋など)を動かす神経です。
これらの神経は、筋肉や筋膜の隙間を通って体の各所へ伸びていますが、時折その通り道で締め付けられてしまう(絞扼される)ことがあります。すると、筋肉自体は健康でも、命令がうまく伝わらずに「筋力低下」や「痛み」、「肩の不安定感」を引き起こしてしまうのです。
カイロプラクティックでは、この「神経の通り道」を徒手的に解放してあげるテクニックがあります。根本的な原因である神経の通りを良くしてあげることで、本来の筋肉の力を発揮できるようになるのです。
最後に
「神経・筋・骨格に由来する問題は、的確な評価とアプローチを行えばほぼ100%改善に導くことができる」と私たちは考えています。
人間の体は本当に精巧で、知れば知るほど面白いものです。神戸校の生徒たちのように、情熱を持って正しい知識と技術を学べば、患者さんの悩みを根本から解決できる素晴らしい治療家になれます。
これからカイロプラクターを目指す皆さんも、ぜひこの奥深く、やりがいに満ちた世界に飛び込んでみませんか?

この記事を書いた人:榊原 直樹
徒手療法大学 学長 / 米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック (DC) / 医学博士 (PhD)
1998年に米国カリフォルニア州でDCライセンスを取得し、ロサンゼルスで10年間臨床に従事。帰国後、岐阜大学医学部にてスポーツ医学の医学博士号を取得。現在は名古屋駅前での臨床の傍ら、徒手療法大学(名古屋・神戸・札幌)の学長として後進の育成に尽力している。
2000年よりヴィパッサナー瞑想を実践し、毎日の瞑想を日課とする。心身両面からのアプローチを探求し続けている。