脱サラしてカイロプラクターになるには?30代・40代からの再挑戦と「地力」

「会社というレール」を降りる怖さと、乗り続けるリスク

バブル景気の真っ只中だった1980年代後半。 当時、大学生だった私は、周囲が当たり前のように「一流企業への就職」というレールに乗っていく中で、一人強烈な危機感を抱いていました。

引く手あまたの売り手市場。就職すれば将来は安泰。 しかし、私はその状況に対して「会社員として飼いならされてしまう(社畜化する)ことへの恐怖」を感じていました。

一度そのぬるま湯に浸かってしまえば、そこから抜け出すには相当な勇気が必要になります。 何年、何十年と会社員としての経験を積んだとしても、もしその会社が倒産したら? 日本経済が傾いたら? 「会社の看板」が外れた時、私には何が残るのだろうか。

私が当時から人生の目標としていたのは、「地力(じりき)」を養うことでした。 どんな場所でも、どんな状況でも、組織に頼らず自分の身一つで生きていける力。 そのために私は、就職活動を一切せず、日本を飛び出す決意をしました。

「会社員のままでいいのか?」迷える30代・40代へ。バブル期にレールを降りて渡米した徒手療法大学学長が、脱サラしてカイロプラクターを目指すリスクと勝算を解説。年齢を武器に変える「地力(じりき)」の生き方とは。

留学資金のために月収30万円を貯金した日々

目指したのは、カイロプラクティックの本場・アメリカ。そしてボディビルのメッカであるロサンゼルス。 大学卒業の2年前に渡米を決めてからは、怒涛の日々でした。

朝3時に起きて魚市場で働き、日中は大学へ。夕方からは家庭教師と塾講師。 とにかく留学資金を貯めるために、寝る間も惜しんで働きました。 月収は約30万円。親からの仕送りで生活し、バイト代は全額貯金。

端から見れば過酷だったかもしれません。しかし、私にとっては全く苦ではありませんでした。 「地力をつけて、世界で勝負する」という明確な目標があったからです。 クラスメートの95%が大学院へ進み、残りが就職する中、留学を選んだのは私一人。 しかし今振り返れば、あの時の選択は大正解でした。現在の充実したカイロプラクティック・ライフは、あの時の決断があったからこそ存在しています。

脱サラしてカイロプラクターを目指すあなたへ

会社員の方が「脱サラしてカイロプラクターになる」というのは、勇気がいることだと思います。 守るべき家族がいるかもしれない。住宅ローンがあるかもしれない。 正直に言えば、もし今の私が皆さんの立場だったら、あの時と同じ勇気を持てるか自信がありません。

だからこそ、私は今、リスクを承知でこの世界に飛び込もうとしている社会人の方々に、心からの敬意を表します。

おそらく、皆さんが足踏みしてしまう最大の理由はこれでしょう。 「果たして、今から技術を身につけて食っていけるのか?」

不安①:「不器用でもなれますか?」

カイロプラクティックや徒手療法は、確かに職人の世界です。手先の器用さは、外科医と同じようにある程度影響します。 「自分は不器用だから」と諦める人もいるかもしれません。

しかし、現代の徒手療法において最も重要なのは、指先の感覚だけではありません。 「なぜ、そこを治療するのか?」という理論(Clinical Reasoning)です。

どれだけ手先が器用でも、間違った場所を治療していては治りません。逆に、多少不器用でも、解剖学や生理学に基づいた正しい診断ができれば、患者さんの症状は改善します。 本学(徒手療法大学)が「理論と実践の融合」を徹底しているのはそのためです。 感覚だけに頼らない、医学的根拠に基づいたアプローチならば、トレーニングで誰もが習得可能です。

不安②:「30代・40代からでは記憶力が…」

「もう歳だから、新しいことを覚えるのは無理だ」 そう嘆く方もいますが、それは脳科学的に見れば杞憂です。

確かに丸暗記の能力は10代・20代がピークかもしれません。 しかし、大人の脳は理解力と洞察力に優れています。 「アトラス(第一頸椎)の形状がこうだから、こう動くはずだ」という理屈(ロジック)で理解する力は、社会経験を積んだ皆さんの方が長けています。

不安③:「若い先生には勝てない?」

むしろ、社会人経験は臨床現場で最大の武器になります。 カイロプラクティックは、マンツーマンの仕事です。技術以前に、患者さんとの信頼関係(ラポール)が治療効果を左右します。

営業で培った交渉力、接客で磨いた傾聴力、部下の悩みを聞いた経験。 そうした人間力があるからこそ、患者さんは安心して体を預けてくれます。 「人生経験豊富な先生のほうが話しやすい」という患者さんは、皆さんが思っている以上に多いのです。

「会社員のままでいいのか?」迷える30代・40代へ。バブル期にレールを降りて渡米した徒手療法大学学長が、脱サラしてカイロプラクターを目指すリスクと勝算を解説。年齢を武器に変える「地力(じりき)」の生き方とは。

人生の後半戦を「地力」で生き抜く

AIが台頭し、大企業でも終身雇用が崩壊しつつある今。 会社の看板ではなく、自分の手と医学的知識だけで生きていく力――すなわち「地力」をつけることは、最強のリスクヘッジになります。

本学には、元エンジニア、元営業職、主婦など、多様なバックグラウンドを持つ学生が学んでいます。 年齢を言い訳にせず、本物の技術を求めて集まった仲間たちです。

もしあなたが、現状に迷いを感じているなら。 一度、本学のドアを叩いてみてください。 「会社員というレール」を降りた先には、想像以上に自由で、やりがいのある世界が広がっています。



徒手療法大学の学長、榊原直樹

[執筆者プロフィール] 榊原 直樹(さかきばら なおき) 徒手療法大学 学長 / 医学博士(PhD) / 米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック(DC)

1998年に米国でDC取得後、LAにて10年間臨床に従事。帰国後、岐阜大学大学院医学系研究科にてスポーツ医学を専攻し、2015年に医学博士号を取得。現在は臨床家として現場に立ちながら、後進の育成に力を注ぐ。

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「会社というレール」を降りる怖さと、乗り続けるリスクとは?徒手療法大学学長・榊原直樹が、自身の渡米経験と「地力」で生きる重要性を語ります。30代・40代からの脱サラ、不器用さへの不安を持つ方へ向けた、人生後半戦を生き抜くための応援メッセージです。
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