- ✔
なぜ「MRI異常なし」でも頭痛が治らないのか?
病院の検査が見逃す「構造」と「機能」の決定的な違いを解説。 - ✔
薬が効かない理由
抗うつ剤や鎮痛剤が「機能的な問題(関節の動き)」には無力である医学的根拠。 - ✔
頚性頭痛(Cervicogenic Headache)の正体
首の異常が「目の奥の痛み」として脳に誤認されるメカニズム。 - ✔
根本解決への道
医学博士・米国公認カイロプラクターが教える、徒手療法によるアプローチ。
はじめに:その頭痛、「脳」ではなく「首」が原因かもしれません
こんにちは、徒手療法大学(College of Manual Therapy)学長の榊原直樹です。
私の治療院には、長年「慢性的な頭痛」に悩まされている患者さんが多く来院されます。 「脳神経外科でMRIを撮っても異常なしと言われた」 「処方された痛み止めを飲み続けているが、最近効かなくなってきた」 「目の奥がえぐられるように痛い」
そんな方が最後にたどり着くケースが非常に多いのです。 今回は、なぜ病院の検査では原因が見つからないのか、そして「医学的には原因不明」とされる症状に対して、なぜカイロプラクティックが唯一の解決策になり得るのかを解説します。
1. 頭痛でMRI「異常なし」でも痛い本当の理由:構造と機能の違い

多くの患者さんが「こんなに痛いのに、検査で異常がないはずがない」と不安を抱えています。しかし、ここには大きな誤解があります。
実は、カイロプラクティックの適応症状の多くは、レントゲンやMRI、血液検査などの医学的検査では「異常が見られない」症状なのです。
■ 病院の検査が見ているもの:構造的・病理的異常
病院で行う画像診断や血液検査は、主に以下のような異常を見つけるために行われます。
-
構造的な異常: 骨折、脱臼、骨の変性など
-
病理的な異常: 腫瘍、出血、感染症、代謝性疾患など
これらが認められない場合、医学的には「異常なし(原因不明)」と診断されることが一般的です。もちろん、これらは命に関わる病気を除外するために非常に重要です。
■ 「異常なし」の先に待っている誤解:抗うつ剤の処方
ここで問題なのが、「画像に異常がない=身体的な原因はない」と短絡的に結論づけられてしまうことです。
実際、整形外科などで「異常なし」と言われた患者さんの多くが、痛みの原因を「心因性(ストレス)」や「自律神経の乱れ」とみなされ、抗うつ剤や精神安定剤を処方されていたりします。 しかし、患者さんが訴えているのは、紛れもない「身体の痛み」です。原因はメンタルではなく、首や筋肉の物理的な問題にあるため、当然ながら抗うつ剤を飲んでも、痛みや身体症状に対しては何の効果もありません。
2. なぜ、薬では「機能的問題」を治せないのか?
画像診断では見えない異常、それが「機能的異常(Functional Dysfunction)」です。 具体的には、関節の可動域制限、筋膜の癒着、神経の滑走性の問題などを指します。
これらは「物理的な動きの問題」です。したがって、機能的問題は鎮痛剤や筋弛緩剤などでは、症状が一時的には軽減しても決して寛解することはありません。
論理的に考えれば、その理由は明らかです。 なぜなら、薬はあくまでも対症療法であり、根本的な解決先ではないからです。
例えば、錆びついて動かなくなった扉(関節)に対し、痛み止めを塗っても扉は動くようになりません。扉を動かすには、物理的に錆を取り、蝶番を調整するしかありません。 それと同様に、頸椎の関節(椎間関節)の運動障害が原因であるなら、それを改善させることでしか、その人の頭痛は解消されないのです。
3. 「頚性頭痛」のメカニズム:なぜ首が悪いのに頭が痛むのか?
では、なぜ首の関節の問題が頭痛を引き起こすのでしょうか。 「首が悪いなら首が痛いはずでは?なぜこめかみや目の奥が痛くなるの?」 そう疑問に思う方も多いでしょう。これには「関連痛(Referred pain)」という脳のメカニズムが関係しています。
キーワードは「三叉神経脊髄路核(Trigeminocervical nucleus)」です。
-
首の神経(C1〜C3): 首の上の方からの痛み信号は、脊髄を通って脳幹へと送られます。
-
顔の神経(三叉神経): 顔や頭、目の感覚を支配する「三叉神経」の信号も、同じ脳幹の場所へと集まります。
ここで脳内で情報の「混線」が起こります。 首(C1-C3)の機能不全による持続的な信号が入力され続けると、脳が「この痛みは首からではなく、頭や目の奥(三叉神経の領域)から来ている」と誤認してしまうのです。
これが、いくら頭痛薬を飲んでも治らない理由の医学的な説明です。

4. エビデンスに基づくアプローチ:カイロプラクティックの有効性
「構造」ではなく「機能」にアプローチできる唯一の専門職、それが私たちカイロプラクターです。
-
上部頚椎のアジャストメント: 動きが悪くなった第1頚椎(C1)や第2頚椎(C2)の関節可動域制限を解除し、正常な動きを取り戻します。
-
筋膜リリース・軟部組織アプローチ: 後頭下筋群などの癒着をリリースし、神経の滑走性を改善させます。
-
姿勢指導とエクササイズ: ストレートネックや頭部前方変位を改善し、再発を防ぎます。
薬で痛みを散らしたり、心の問題にすり替えたりするのではなく、「物理的な機能を物理的に取り戻す」ことで、痛みの根本原因を解消します。

5. 将来のカイロプラクター・治療家の皆様へ
「抗うつ剤を飲んでいるのに頭痛が治らない」と悩む患者さんを救うには、医学的な「構造」の視点だけでは不可能です。 「構造的には正常だが、機能的におかしい」という状態を見抜くには、高度な触診能力と機能解剖学の知識が不可欠です。
徒手療法大学(College of Manual Therapy)では、
-
画像診断では見えない「関節の可動域制限」を見つける触診技術
-
「筋膜の癒着」や「神経の滑走性」を改善する徒手療法
-
それらを医学的に説明できる「病理学・解剖学」の知識
これらを体系的に学ぶことができます。「なんとなく揉む」のではなく、「なぜそこにアプローチするのか」を論理的に説明できる、本物の治療家になりませんか?

この記事を書いた人:榊原 直樹
徒手療法大学 学長 / 米国公認ドクター・オブ・カイロプラクティック (DC) / 医学博士 (PhD)
1998年に米国カリフォルニア州でDCライセンスを取得し、ロサンゼルスで10年間臨床に従事。帰国後、岐阜大学医学部にてスポーツ医学の医学博士号を取得。現在は名古屋駅前での臨床の傍ら、徒手療法大学(名古屋・神戸・札幌)の学長として後進の育成に尽力している。
2000年よりヴィパッサナー瞑想を実践し、毎日の瞑想を日課とする。心身両面からのアプローチを探求し続けている。