【この記事の要旨】
ミャンマー・タウンドゥインジーでのカイロプラクティックボランティア活動報告(3日間)。
ガスなし・薪火のみのアウトドア環境で、300皿の日本カレーを調理し振る舞う。
徒手療法大学の学生(大門君)と共に、2人で約120名の患者へ施術を実施。
過酷な臨床現場で学生が掴んだ「確かな手応え」とカイロプラクターとしての成長。
2026年2月9日 ミャンマー・マグウェイ管区 タウンドゥインジーにて
タウンドゥインジーのホテルに戻り、シャワーで土埃と汗を流してようやく一息ついたところです。心地よい疲労感とは、まさにこのことでしょう。
今回は、私たちが現在行っているミャンマーでのカイロプラクティックボランティアの活動報告と、そこで得られた「手」を使うことの原点について綴ります。
薪火で挑む300皿!ミャンマーの空の下で作る日本カレー
今朝8時。私の仕事は、カイロプラクティックのテーブルではなく、野外のキッチンから始まりました。 滞在先のチャンミ瞑想センターにはガスがありません。熱源は「薪」のみです。
ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ、そして鶏肉をカットし、煤(すす)にまみれながら火加減を調整する。文明の利器がない環境での調理は、まさに格闘です。しかし、日本から持参したカレールーで仕上げた300皿分のカレーライスは、薪の強い火力が功を奏したのか、自分でも「過去一番」と思えるほどの出来栄えでした。
ミャンマーでのボランティア活動は、単に施術を提供するだけでなく、こうした「食」を通じた心の交流も大切な要素です。現地の方々が笑顔でカレーを頬張る姿を見て、治療とはまた違った「満たす喜び」を感じました。
3日間で120名を施術|言葉の壁を超えるカイロプラクティック
カレーの熱気が冷めやらぬまま、午後からは本業であるカイロプラクティックのボランティア治療へ。 途中、タウンドゥインジー近郊にある世界遺産、ピュー古代都市群「ベイタノ遺跡」への束の間の訪問で歴史に触れつつ、夜7時までノンストップで施術を行いました。
今回のタウンドゥインジー滞在は3日間。私と、同行している大門君の2人で、合計120名弱の患者さんを診させていただきました。
設備も環境も日本とは全く異なる場所で、頼れるのは己の「手」と「診断力」のみ。言葉の壁を超えて、身体の不調という共通言語に向き合う時間は、我々カイロプラクターにとっての修練そのものです。ミャンマーという環境下でのカイロプラクティックは、技術の応用力と人間力を大いに鍛えてくれます。

臨床現場での成長|学生が掴んだ「確かな手応え」
教育者として何より嬉しかったのは、同行した大門君の言葉です。 昨年11月に続き、2度目のミャンマーボランティアとなる彼は、連日の激務にも関わらず、目を輝かせてこう言いました。
「今回は手応えのあるケースも増え、ますますカイロプラクティックが好きになりました」
教科書や講義室だけでは伝えきれない、臨床の真髄がここにあります。 患者さんの身体が変化する瞬間を指先で感じ、その喜びが技術への探求心に火をつける。彼が掴んだその「手応え」こそが、私が徒手療法大学で伝えたいことの全てかもしれません。
明日は早朝5時に出発し、ヤンゴンへと戻ります。 ここタウンドゥインジーで得た熱量と経験を、また日本の学生たち、そして患者さんたちへと還元していきたいと思います。

この記事の著者

榊原 直樹(Naoki Sakakibara, D.C., Ph.D.)
徒手療法大学(College of Manual Therapy)学長 米国政府公認ドクター・オブ・カイロプラクティック(カリフォルニア州ライセンス)。 1998年に米国で資格取得後、ロサンゼルスで10年間の臨床経験を積む。帰国後、岐阜大学医学部大学院にてスポーツ医学の医学博士号を取得。現在は名古屋駅前にて治療院を運営する現役臨床家であると同時に、徒手療法大学の学長として名古屋・神戸・札幌にて後進の育成に尽力している。 2000年よりヴィパッサナー瞑想を実践しており、心身の相関についても造詣が深い。
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